カテゴリー別アーカイブ: 4. 超・英語脳革命

即興(Improv)

スキルを増やすべく、最近はいろいろと新しいクラスやレッスンをとっています。

improvbooks

そのひとつが、「即興」。英語ではimprov、improvisation(インプロ、インプロビゼーション)。

台本や打ち合わせは一切なく、その場でシーンを作り上げていくインプロ。とはいえ、こちらで学べるコメディのインプロは、自由な中にもルールがあります。思いついたことを何でも言って良いというわけではなく、目の前で作り上げられていくストーリーの核心を瞬時に理解し、そこに建設的に貢献できるように自分のストーリーやコメディの要素を加えていかなければいけません。

台本も打ち合わせもなく、お客さんの目の前で、コントを作り上げていく。

しかも、英語で。

考えただけで膝がガクガクして冷や汗が出てきます。ご飯も喉に詰まりそう。あいたたたた。

しかしながら、このインプロ、何が起こっているかを把握するリスニング力と観察力、オリジナルの要素を思いつくクリエイティブ脳、そして、瞬時に情報を処理し、大事な瞬間を逃さずに行動を起こす瞬発力を鍛えるのにもってこいなんですよ。

度胸も試されます。一緒にステージに立つパートナーが考えている/作り上げてきたストーリーを私がぶち壊してしまうのでは、 英語がちゃんと聴き取れていないのでは、というセルフ・ダウトを常に抱えている身にとって、腹をくくってシーンに飛び込むには、毎回のこととは言えど、とても勇気がいります。自分を奮い立たせて「えいやっ」と飛び込まないと、硬直したまま、何もできないまま、シーンが終わってしまう。

おかげで、クラスに行って3時間みっちりトレーニングした後の神経のすり減り様は半端じゃないです。お腹もペコペコ。定期的にクラスをとり、一般向けにも3回パフォーマンスをしましたが、こればかりは慣れません。

ニューヨークのインプロの歴史はけっこう古く、毎晩のようにオフ・ブロードウェイやオフ・オフ・ブロードウェイのどこかの舞台でインプロのパフォーマンスを観劇できますし、インプロを学べる専門のスタジオや小規模のワークショップがいくつもあります。ご興味のある方は是非チェックしてみてください。

Mahoatimprovshow客席から撮ってくれたパフォーマンス中の私(左)。

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俳優式、とっておきの英語学習法

EikoActingModel: Eiko Kawasima, Photo: Peter Ou Photography

ニューヨークで英語を学んでいる、もしくは学びたいと思っている日本人のみなさん、試しに演技のクラスをとってみませんか?

ニューヨークには、一般の方でも参加できる演技学校のクラスや、不定期で参加を募集しているワークショップがたくさんあります。わたしが2年間通った演劇学校にも、アーティスト、弁護士、ミュージシャン、医者などを本職にしながら演技を学んでいる生徒がたくさんいました。

演技のクラスとひとくちに言っても、台本の中の1シーンを発表する「シーンスタディ(Scene Study)」や、ゲーム感覚のエクセサイズを行う「インプロ(impro, improvisation = 即興)」など、教えてくれる内容はよりどりみどり。

経験ゼロ、英語の台詞、人見知り…などなど不安要素はたくさんあるかと思いますが、今回は、英語で演技を学ぶことによって、演技を通して英語を学べるメリット(ややこしくてすみません)についてお話したいと思います。

☆演技のメリット1:言葉と感情がリンクする

脳科学の研究者池谷裕二さんの著書(※)によると、人間の脳は、感情が盛んなときほどものごとを覚えやすいように働くそうです。確かに、「事故にあって怖かった」「失恋して悲しかった」「旅行に行って楽しかった」など、強く感情が絡んだ出来事は、思い出として後々まで覚えているものですよね。

演技のクラスは、感情を絡ませながら言葉を学ぶには格好の場です。

例えば、台本に「I love you(わたしはあなたのことを愛しています)」という台詞があるとします。演技の中で台詞から学んだ「I love you」の身に付きかたは、単語帳や小説などから学んだ「I love you」とは違います。

演技の中で「I love you」という台詞を口にするときに感じるのは、相手を心の底から愛しいと思う気持ちや、どんな反応が返ってくるかわからない恐さ、または、心が丸裸にされたような居心地の悪さかもしれません。さらに、感情の動きだけでなく、顔や身体が熱くなったり、緊張でお腹が引き締まるように感じたり、手に汗がにじんだり、といった感覚の動きにも気がつくでしょう。また、相手役の彼/彼女が、泣いていたり、まっすぐこちらを見つめていたり、感極まって胸を抑えていたり、声が震えていたり、触れた手が温かかったり、 などという情報も一緒に受け取るでしょう。

このように、感情、感覚、相手の状態といった、文字や映像から受け取る以上の生きた情報を、台詞の言葉にリンクさせることができるのが演技です。そうした情報が、必要な場面で必要な言葉を語彙の棚から引っぱり出すためのトリガー(引き金)となってくれるので、演技をすることで覚えた言葉は自分のものとして定着しやすい、というのがわたしの考えです。

それでもクラスはちょっと…という方は、好きな映画やテレビドラマの好きなシーンを心を込めてひとりで演じてみるなど、感情を絡めることに重点を置いた別の方法を試してみるのもよいでしょう。

ただ、人前でパフォーマンスをすることで得られるメリットを逃すのは、惜しいように思います。その理由は以下に続きます。

☆演技のメリット2:とっておきの度胸が身に付く

ネイティブ英語スピーカーと話す場面で、こちらの言葉を聞いた瞬間に、戸惑うような、身構えるような「あ、この人は英語あまり話せない人だな」という反応が自分に向けられて萎縮してしまった経験が、わたしには数えきれないほどあります。ほんの一瞬のことですし、相手は悪気がないどころか無意識なことがほとんどだと思うのですが、英語にコンプレックスがある身にとっては毎回きびしい試練に思えます。しかしながら、相手のこうした反応に出くわす度に気後れしていては、英語習得への道のりはさらに長くなってしまいます。

演技のクラスは、気後れしないで英語を話す度胸を身につけるには格好の場です。

自分が他人の目からどう見えるかを気にしすぎていたら、演技はできません。普段は他の人に見せたくないような部分をさらけ出すことは、俳優の大切な仕事のひとつです。怒ったり、恥をかいたり、泣いたり、服を脱いだり、犯罪を犯したり、キスをしたり、実生活では人目をはばかるようなことを観客の前で堂々とする、それがストーリーを伝えるために俳優に与えられた役割です。観客は、日常ではそうそうお目にかからないような人間ドラマを求めて劇場や映画館に足を運びます。

これを繰り返していたら、嫌でも度胸が身に付きそうではありませんか。実際、すべてをさらけ出して演技に没頭している最中は、台詞の英語がうまく話せているかどうかの心配などしている余裕はありません。アドレナリンが洪水状態になりながら必死で演じるどさくさに紛れて、英語の恥ずかしさの壁も一緒に壊してしまいましょう。

☆☆☆

会話というのは、言葉がなくても表情やジェスチャーでかなりの部分が成立してしまいます。ですので、言葉を上達させたければ、話す必要に迫られる機会を多く作るのがよいと思います。演技のクラスは、英語を話す必要に迫られるには格好の場所です。そして何より、演技はとっても楽しいですよ!

もしピンと来た方がいらっしゃいましたら、ぜひとも英語上達の手段のひとつとして検討してみてはいがでしょうか。

HB Studio Bldg2年間通ったHB Studio。世界各地から生徒が学びにくる、すばらしい学校です。


※)わたしの愛読書、池谷裕二氏著「受験脳の作り方(新潮文庫)」第3章(3-3)より。何かを学ぶすべての方におすすめの本です!

英語学習おすすめ参考書、2014まとめ

今年も残すところあと2日!というわけで、この1年にわたしの英語に多大な貢献をしてくれた参考書を2冊ご紹介して、2014年の締めくくりとしたいと思います。

おすすめ英語参考書「一億人の英文法」と、「英語の発音パーフェクト学習辞典」です。

「一億人の〜」(写真右)は、学校で習う読み書きの英語を超えて、ネイティブが話す生の英語の感覚が身に付く画期的な文法書です。

解説の語り口は口語風ライトタッチで、ネイティブスピーカー目線が新鮮です。英語レベルの上下に関係なく参考にできる本だと思います。

「英語の発音〜」(写真左)は、英語を話すために必要な舌&口&アゴ周りの「英語筋」を正しく鍛えるのにとてもよい参考書です。

英文のリズムや強弱、繋げて読むと落ちる音やつながる音や変化する音など、カタカナ英語に慣れてしまうと陥りがちな弱点克服のためのポイントを丁寧に解説してくれます。

この参考書の例文を読み上げるCDの音声を聴き、それを真似して読んだ自分の声を録音して聴き比べる、という学習法がわたしには効果ありでした。ふたつが限りなく近くなるまで何度も何度も録音を繰り返し、耳と英語筋を同時にトレーニングします。

以前の投稿でご紹介した「American Accent Training」と合わせてやるとよりよいと思われます。

以上。


今年も気まマホ日記をご愛読くださりどうもありがとうございました。読んでくださる方がいるという事実がどれほど大きなモチベーションになってくれていることか。

みなさまも、みなさまのご家族やご友人も、しっかり栄養をとって暖かくして、どうぞ素敵な年末年始をお過ごしください。2015年もまた元気にお会いできるのを楽しみにしています。

エクセルで経費を申告中

「2015年もはりきって更新するのでよろしくね!」

あ、そうそう。すっかり気まマホ日記常連になったニコリーノの写真を何枚か選んでアルバムにしてみました。よろしければページの右下をのぞいていってくださいね。ではでは、

all our best new year wishes to you and your loved ones…

CMオーディションとか英語での世間話とか

1月にカリキュラムを一新して試行錯誤してきた英語学習の効果が、最近少しずつ見え始めている。

具体的には、「Your English is good!(英語上手だね!)」と言われることが減り、「Are you from here?(アメリカ出身?)」とごくたまーに言っていただけるようになった。英語を褒められているうちは「外国人」の域を出てないってことだから、ちょっと前進。

↓こんな状態からはかろうじて脱却bunnyeasterchocolate

ただ、いつまでたっても苦手なのが、英語での世間話。TPOにあっていて、かつあたりさわりのない英会話をスムーズにする…というのにほんとーに苦戦する。「What’s happening?」「How was your day?」のような1日に何十回も聞かれるような質問にも、もれなく気後れしてしまうことさえある。

日常会話だけではなくて、仕事でもこの世間話スキルは容赦なく試される。その筆頭が、CMのオーディションだ。

通常、CMのオーディションでは、前もってまたは現場でサイズと呼ばれる短い台本をもらうか、向こうの要求に合わせてインプロ(即興)をすることがほとんど。

英語のサイズをぶっつけ本番で読むことのハードルが第2言語を話す者にとっていかに高いか、、、は、想像していただけるかと思うので割愛する。しかし、インプロの場合も、台詞を覚えなくていいからって安心はできないのだ。

カメラに向かって自分のエピソードを披露することもあれば、別のアクターと一緒に、友達、恋人、夫婦、親子等という設定で会話をさせられるのだが、ここで日頃の世間話スキルが露呈する。

まあ、サイズなしのオーディションというのはきっと、本番のCMでの台詞はゼロかひと言程度なわけで、重要なのは話す内容ではなく話している「雰囲気」とか「表情」だと思うのだ。そう思うのだけど、ここでの世間話がうまくできないと、バタフライで飛び込める穴はどこですか、、、という撃沈状態に陥る。

例えば、ビジネススーツを着てくるように指示があっただけなので、普通のオフィスワーカーの役かな?と思いながら参加した先日のオーディション。

某有名レストランの全国放送のCMだし、よく呼んでくれるキャスティングディレクターからの直接のコールだったので、今日こそは!といつもよりもさらに張り切って出陣した。会場に行って聞かされたところによると、どうやら「インベストメント・バンカー」の役だという。

いんべすとめんとばんかー…。

い、んべ、すとめ、んとば、ん、かー…。

イメージ湧かない。ぜんぜん湧かない。

遠くを見つめて、ぶすぶす…と頭から煙を出しているわたしにも、容赦なく順番はまわってくる。名前を呼ばれたので、とりあえずお部屋の中へ。

あらためて設定をきくと、わたしの役は、某有名レストランにて、仕事の成功を祝って食事をするいんべすとばんかーのグループのひとりだそうだ。他のアクター2人と計3人でテーブルにつくと、カメラが回りだして、さあインプロ開始。

にこりとアイコンタクトを交わす「疑似ばんかー」の3人。

とにかく自信を持ってやるしかない…!そう腹をくくるわたし。

なんだか大丈夫な気もしてきた!

その刹那、隣の上司役の俳優がわたしに向かって開口一番にこう言ったのだ。

「君は来週ハワイに行くんだよね?ミスター〇〇とのビジネスはどんな感じだい?」

ーえ。いきなり何でハワイ?仕事?バケーション?ミスター…(えーっと)とハワイのご関係は?

ぷちっ…。シナプスがはじける音が聞こえた。そもそもわたし、何を考え、誰を愛し、どこへ向かって生きてましたっけ。

それ以降のことはあまり覚えていません。とりあえず「アハ」と言うのが精一杯。

結局、その後の約2分の持ち時間を、音色とリズムを巧みに変えた「アハ」と「ンフ」と「オゥ」を駆使して、顔とリアクションと反射神経だけで乗り切るというウルトラC技に出るわたし(バカのひとつ覚えとも言う)。

あー変な汗かいちゃったよ。

もうねー、追いつめられたときに、脳みそが停止→初期化して真っ白になるプロセス、本当にやめてほしい。わたしだって英語、中学校から勉強してるんだから、そろそろ自信ついてきてくれてもいいのに。受かる受からないの結果はどうであれ、せめて達成感をお土産にして、次のオーディションに備えたいのに。

今回学んだのは、世間話をスムーズにするためには、言語のスキルだけじゃなく、いろんな常識&知識を持っていることがとってもだいじだということ。

そう、準備不足も大きな敗因でした(さっそく、インベストメント・バンカーの就活情報をググってみた。…うーん)。

さらに、ただ常識知識を持っているだけではダメで、それを「英語で」脳みそに貯えるべく、生まれも育ちもアメリカのネイティブシナプスを意識して育てることが肝心だと思った。

言葉にイメージがくっついているならば、脳に浮んだどんなもやもやでも口からダイレクトと出てきてくれるようになるはずだ。

MyBrain2014↑ 英語シナプスからの信号がダイレクトに口に降りてくるといいね。
今はまだ日本語シナプス経由で降りてくる分の手間と時間がかかってる感じ。

というわけで、秋から語学学校に通うことにした。

最近は、毎日の自習をベースに、ランゲージパートナーと会ってみたり、大事なオーディション前には台本を握りしめて発音の個人レッスンを受けたり、ということをやっていたが、ここへきて初心に返ろう。

とは言っても普通の学校は値段的にもスケジュール的にもムリムリなので、大学で先生の卵たちが教えてくれる、4ヶ月週2回で授業料が300㌦代のコミュニティ向けクラスにした。発音とスピーキングだけに特化したクラスがあり、レベルも細かく別れていたのが大きなポイント。受けてみてよかったらここでも紹介しますね。

超・脳みそ革命の近々の目標は、今年中に英語上達の階段をホップステップジャンプすること!

え、オーディションの結果?落ちました!そりゃあもう!

次いってみよー!!

勉強の友「受験脳の作り方」

教壇に立つわが弟が教えてくれた本。

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「受験脳の作り方」
〜脳科学で考える効率的学習法〜

脳科学研究者の池谷裕二さんによって書かれた勉強アドバイス本。脳の特性から導きだした、モチベーションが続くような勉強の工夫が満載だ。

“この本を「絶対的真理を既述した本」としてではなく、「記憶を専門に研究する池谷裕二が『自分ならこう勉強する』と提案する本」であるととらえていただきたいと考えています。”(前書きより)

客観的な情報(脳科学の知識)と主観的な情報(池谷さんの考える効果的な勉強法)をどちらも与えてくれるので、そっくりそのまま真似っこするもよし、自分なりに応用するもよし、ただ「へー」と面白く読むもよし。

成功者の視点で書かれたテクニック本の類いとは異なり、きちんと時間をかけて理屈から理解できるように書かれた勉強のコツの数々は、読者(&の脳)を信頼したうえでの誠実で謙虚な応援メッセージに溢れているように感じる。学習効果があがらなくて焦ってしまうとき、自分の頭の悪さに心が折れそうなときに読もうと思う。コツコツと目標に向けて頑張る大切な人に贈ってあげたい素晴らしい本。

著者の池谷さんは、中高生向けの授業をしたり(「進化しすぎた脳」—ブルーバックス)、コピーライターの糸井重里さんと対談したり(「海馬」—新潮文庫)、研究職の枠を超えて、脳科学の知識を通して人と交流する機会を積極的に設けておられる。それと関係するのか、この本にも専門風を吹かせた気難しい部分は一切なく、読者が興味を持てるような言葉を用いて丁寧に綴られている。ちなみに、覚えたことを誰かにアウトプットするのは、「経験記憶」の最も効果的な作り方のひとつだそうな!ご本人が実践&証明済みってことか。

「受験脳の作り方」をきっかけに彼の著作を4冊ほど読ませていただいたが、自分の固定観念や世の中の抽象的な概念も脳がつくっていたんだ!という発見から疑問や仮説がたくさんでてくるし、なんだか生きる希望が沸いてくるから不思議だ。

ささ、わたしもさっそくこの本を毎日の英語学習に生かそう。ありがと、弟よ。

参考:Amazon.jp「受験脳の作り方」新潮文庫