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落ちても落ちても…めげるな!労働階級の俳優たちのオーディション模様

先日、俳優連盟主催の「SHOWING UP ~ A conversation about the audition」というセミナーを受けてきた。

俳優へのインタビューをまとめた90分ほどのドキュメンタリー映画が上演され、その後はパネルディスカッションという流れ。

これが盛り上がったのなんのって。

公式HP:http://www.showingupmovie.com

「Showing up」という題名からして、「オーディションにとにかく顔を出すことの大切さ」についての講義がされるのかな〜と思ったら、

ところがどっこい。

まず、ドキュメンタリーは、赤っ恥体験、失敗談、独自の成功セオリーなどといった、俳優たちの個人的なエピソードの宝庫。「オーディションに行きなさい。」と有名キャスティングディレクターなどのお偉いさんに上から教えてもらうよりも、よっぽどやる気を出すのに効果的だったと思う。

「自分だけじゃなかったんだ!」「それわかる!!」と思わず叫びそうな(叫んでたな)あるあるネタが盛りだくさんで、会場は一丸となって大爆笑。続くパネルディスカッションでも、出演者や監督の正直なエピソードが披露され、「うんうんうんうん」と館内総赤べこ状態。さらに最後の質疑応答では、個人的な質問がひっきりなしに続いた。

さすが、オーディエンスはほとんど俳優だから、食いつきがいいわけだ。

その中で、プロデューサー/ディレクターのJames Morrisonさんが、

「地道にオーディションを受けて頑張っている”ワーキングクラス(労働階級)”の俳優たちに捧げるドキュメンタリーです。」

と言ったのが印象的だった。

そうだよ!

落ちても落ちても、また落ちても、ふり落とされても、ちぎり落とされても…(続く)

やっと受かった!と思ったらほぼエキストラ同然の扱いでも、

ついに撮影完了!と思ったら自分の出演シーンが知らない間にカットされても、

雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ、ブリのごとくイノシシのごとく、ひたすら前へ前へと突進するのがワーキングクラス俳優なのだ!!

人気俳優やセレブ俳優がフォーカスされるドキュメンタリーは注目を浴びやすい。しかし、あえて、 ”人々に知られていないけど俳優業で生活している俳優たち”を中心にした本作は、観終わった後、友達とビール片手に熱く話し込んだかのような爽快感があった。

俳優ではない方でも、有名でもセレブでもない俳優たちがどうやってサバイバルしているのかに少しでもご関心があれば、十分に楽しめると思う。

トレイラーはこちら。

「Showing Up Movie」は現在、上映させてくれる会場をお探しのようだ。トークバックやパネルディスカッションも合わせて、演劇スタジオなどで開催したら喜ばれそう。

ご興味がありましたら、彼らの公式HPからお問い合わせください。

★★★★★

さて、オーディションの反対側、つまり選ぶ側からの話題ですが、日本向けのウェブドラマ「2nd アべニュー」の追加オーディションを、先週水曜日にまたまた行いました。

今回はイケメン祭りだった。わっしょーい!!

そういえば、「Showing Up」セミナーのディスカッションでも、「手伝いでも何でもいいから、とにかくオーディションをキャスティング側から見る機会を積極的につくってみて!すごく勉強になるから!」と力説していたけど、このアドバイスはごもっともだと思う。今回も本当にためになったし、モチベーションがますます上がった。

貴重な時間と労力を裂いて準備してきてくださった俳優のみなさま、才能あふれる俳優を紹介してくださったみなさま、関係者のみなさま、どうもありがとうございました。

今後ともよろしくお願いします。

決戦の金曜日!のオーディション

受ける側ではなく、選ぶ側でした。

わたし個人のホームページにはだいぶ前から載せているのですが、実は今、日本向けのウェブドラマのプロデュースに関わっています。

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そこで、雪の降りしきる先週の金曜は、そのドラマのための追加キャストのオーディションでした。

演技を披露してくださった俳優の皆様、関係者の皆様、お忙しい中どうもありがとうございました。

現在、いろいろな要素を考慮しながら選考中です。

人気の俳優データベースにキャスティングの告知をしたのがオーディションの1週間ほど前。個人で応募してきた俳優が4割、エージェントからが6割という感じ。

ニューヨークに住む労働許可を持った俳優限定なので、日本人役はそれなりに吟味できる応募数でしたが、「オプラさんみたいなブラックの凄腕女弁護士」や「ウッディアレンさん的神経質な白人の大家さん」になると、気をつけてタイプを限定したにも関わらず、2日ほどで600以上の応募が来ました。

オプラやウッディが同じ街にこんなにいるわきゃないだろうに…でもくるんです。

ちなみに一番応募人数が多かったのは、前回オーディションでの「アルコール中毒の白人美人図書館司書」キャラクター。一気に2000越え!

満面のしかめっ面で選んでいたら、スクリーンが歪んで見え始めました。め、めまい…がぁぐはっ。これほどたくさんになると、正直言って、全員のレジュメと写真を見てしっかり選考するのは無理。

こうしてキャスティングを反対側から見てみると、ニューヨークでの俳優の競争率の高さに心が折れそうになります。

オーディションを受けさえすればとれる可能性のある仕事でも、第一次のヘッドショット&レジュメ審査のときにうっかりスルーされちゃうことは多々あるんだな、ということがわかります。

しかしながら、希望はある!オーディションに呼んでもらう確立を上げるため、俳優&キャスティングディレクター双方の時間を尊重するために少なくともできることは、

1)自分の年齢、タイプ、人種、性別にふさわしい役に応募する!
(これ当たり前だけどいちばん大事)

2)修正がごりごりに入っていない最新のヘッドショットを添付する!

3)プロフィールに自分のビデオをアップする!

という感じでしょうか。「どんな役がやりたいか」という自分側の希望と、「どんな役がふさわしいか」という相手側の希望を、別のものとして把握することがだいじかと。

ウェブドラマの今後の経過については、またぼちぼちアップしていきますので、お楽しみに。今後とも、どうぞよろしくお願いします。

オーディション〜仕事までの流れ。1に忍耐、2に忍耐。3,4,5も忍耐、にんたい。

俳優やモデルなどのタレントが、オーディションを受けてから仕事が決まるまでの大まかな流れはといいますと、

  1. レジュメ&ヘッドショット審査(エージェントが、または自分で応募)
  2. 第1次オーディション
  3. コールバック…Callback=第2次オーディション
    (1次の直後〜オーディションを受けた週の週末までに連絡がくることが多い。仕事によって1次だけ、第3次、第4次…と続くこともある。)
  4. リフューサルとかショートリストとかホールドとか言うステージ
    (コールバックの時点で言われることが多い。後述)
  5. ブック(or リリース)

と言う感じ。

下にいくほど人数が絞られていくわけだが、一握りのタレントだけが、この過程をクリアして仕事にたどり着くことができる。

いやね、この4のステージがくせ者でして。

最終選考に残った何人かのタレントのスケジュールをおさえている状態がここ。仕事によって、「hold」とか、「1st refusal(優先権)」とか「Short List」とか言ったりするけど要するに同じことだ。同じステージンタレントの人数は1人のときもあれば50人のときもあるので、連絡がきたからって安易に期待してはいけない。おそらくもう先方の希望順位は決まっていて、タレントたちの条件やスケジュールを確認しつつ、制作のもろもろを最終確認しているはずの段階だと思われる。

実は今日は、モデルエージェントから「あんたラストふたりに残ってるから、スケジュールホールドね!」って言われて押さえておいたモデルの仕事の日だったのだが、見事に直前にリリースされた。

…。

…わかってるけどね。

いつものことだからね、わかってるんだけどさ、心の中からわき上がってくるこの叫び。

「はよ言ってくれーーーーー。こっちも忙しいねーーーーーんっ。だーーーーーー!!!!!!」

タレントが決まるのはほんとに最後の最後。ちゃんとブックと言われるまで決して期待しちゃいけない。いや、ブックと言われたって実際に契約を交わすまでは安心できないのじゃないかしら。何てったって、ここはアメリカ。契約書がモノを言うA・Me・Ri・Ca。

…でもさぁ、リリースするなら、せめてサンクスギビングの前にしようよー。わたし、パンプキンパイおかわりするの我慢したんだよー。

今日の教訓:パンプキンパイは、いかなるときも食べておけ。

リリースって、その仕事がとれないだけじゃなくて、そのために前後のスケジュールを調節してたおかげで、その当日にぽっかりと時間が空いちゃうというダブル攻撃なんですよ。けっこうじわじわ効くんですよ。

というわけで、夕方まで時間ができたので、映画を観ました。AMCは、午前中はどの映画も7ドルなんですよ(通常は14ドル)。かなり面白かったので、感想はまた後で。

ついでに洗濯もできたし、あーぁぁ、充実した1日だったぁっっ