月別アーカイブ: 2014年6月

お馬さんぽ

我らがアートディーバさっちゃんのお友達がブルックリンの馬小屋で馬を飼っているというので、馬キチのマダムMasaと一緒に見学に行ってきました。夜からの約束だったので、3人で晩ご飯を食べてからいざ出陣。

え、ぶるっくりんに?…うまごや?

あるんです。本当です。

brandy1馬小屋は英語で「stables」。マンハッタンを出て電車に揺られることたった15分!

brandy2飼い主のマークと、19歳の雌馬ブランディ。プロスペクトパーク内を一緒にお散歩したよ。brandy4道路標識にもお馬さん仕様。

Brandy馬飼いさんの一連のルーティーンを見せていただいたのですが、400キロの巨体がものすごい華奢でか細い足に支えられている様子は不自然であるようにさえ見えました。ブルルルルばひーんっが大迫力なお馬さんは、実はとてももろくはかない動物なんだな、と改めて思いました。

でも驚いたのが、そんなお馬が、地面に背中を押し付けてごろんちょごろんちょするってこと。「ケガしたらすぐ安楽死」とか「立って寝る」とかのストイックで毅然としたイメージがお馬に焼き付いていたので、思いっきり隙丸出しの愛嬌ある姿に感激でした。え、どんなか気になる?やっぱり?

はい、お待ちかねのビデオですよー!「ひゃっほーい♪」っていう声が聞こえてくるようですね。

お背中に乗せていただく気満々だったけれど、眠かったので遠慮しました。次こそは!brandy3優しい目。

Idina Menzel(イディーナ・メンゼル)さん主演「If/Then(イフ/ゼン)」。人生は「運命」か「選択」か。

ブロードウェイ観劇録、続きまして「If/Then」です。

「Rent」や「Wicked」で大活躍、「Frozen(アナと雪の女王)」の「Let It Go」を歌って2013年アカデミー賞を授賞、と飛ぶ鳥を落とす勢いでご活躍の Idina Menzel さんが主演していることで話題のミュージカルです。IFTHEN3

あらすじ。(Mr. Wiki

離婚を経てニューヨークで再スタートを切ろうと意気込むアラフォー女性、エリザベス。さっそくマディソンパークでふたりの友人と再会し、ここでの些細な選択をきっかけに、キャリアウーマンの道を歩む「Beth (ベス)」と、恋愛に生きる「Liz (リズ)」との二通りに枝分かれしていく人生を追う(※ベスとリズはどちらもエリザベスの一般的なニックネーム)。

「あのときこっちを選んでいたら、人生はどう変わっていたんだろう」という、誰もが一度は考えたことのあるだろう疑問がこの劇の主軸。そんなお馴染みテーマに加えて、とくに重要な事件が起こるわけでもないモダンなエブリデイ・ストーリーに沿って「リズ」の人生と「ベス」の人生の行ったり来たりする展開。

正直、もう少し、華のブロードウェー(波ざっぱぁーん!!)らしさが欲しい、と思ってしまったのだけど。

でも。

最後はズビズビになりましたー。ええ、そらもう。

おそらくこれは、「人とのつながり」や「命の有限性」という大事なことを再認識した911や311が、登場人物たちの境遇と重なったから、というのがひとつ。

さすが「Next to Normal」のクリエイティブチーム、心の柔らかい部分をぐっとつかんでくる。

ちなみに「If/Then」は、原作ものやリバイバルが多いこのご時世に、いきなりブロードウェーデビューを飾ったオリジナル作品です。彼らの挑戦は本当にすごい!

IFTHEN2NYTimes

そしてもひとつは、ザ・スター、イディーナさんのパフォーマンスよ。

すごかったよ。

主人公のエリザベスがただの「頭でっかちの優柔不断女(でもなんかモテる)」で終わらずに済んだのは彼女の実力のおかげと思う。

イディーナさん以外にも素晴らしい才能のキャストがそろっていて、さっきエラそうなことを言ったけど、ここは文句なしにブロードウェイ・クオリティ。

クライマックスはものすごーく盛り上がって、カーテンコールは観客総立ちのスタンディングオベーションでした。

さらに、エリザベスの周りの人物の変化にも注目です。

例えば、「リズ」のシナリオの中ではパートナーの不倫が原因で離婚をする親友ケイトが、「ベス」のシナリオの中では危機を乗り越えて元さやに戻ります。そのシーンでの「別れるかどうかは、わたしたちだけの問題じゃなくて、わたしたちに関わるすべての人の問題なのよ(ラフ訳)」という台詞に象徴されるように、

自分の「選択」は、自分の人生を左右するだけじゃなく、身近な人の人生にも大きく影響するんだよ、

わたしたちは「絆」でつながって影響し合っているんだよ、

というのが、個人主義が進む現代にこの作品が投げかけているメッセージなのでしょう。

そうそう、ルーカス役の Anthony Rapp さんは、過去にイディーナさんが出演した「Rent」でマークを演じた俳優さんです。「Rent」と同じくニューヨークが舞台の「If/Then」でのふたりの再共演が話題を集めています。

IFTHEN←劇場の出口はイディーナさん出待ち群衆で大混雑でした。彼女の人気でオーディエンスが若めだった気がする。

あと、ブロードウェイでも映画でもテレビでも、メジャーな作品の中に、主役が男性じゃなく女性で、しかもぴちぴちぎゃるじゃなくて40代、というバリエーションがあるのはいいよね、と思った。

ニューヨークストリートファッションリアル度 ★★★
巨大ミラーで自分も作品の一部なFeeling ★★★
あの地下鉄乗りたーい!★★★★★
「ベス」のメガネの役割 ☆

※抽選割引あります。当日ショー開始の2時間。ID必須。キャッシュONLY。

If/Then

Official Site:  http://www.ifthenthemusical.com/home

Lottery Rush: $25 – a same-day ticket lottery will be held at Broadway’s Richard Rodgers Theatre. Entry to the lottery will begin two hours prior to each performance and the winners will be announced 90 mins prior to curtain. Limit two tickets per person. Winners must be present at the time of drawing and valid ID must be shown to purchase tickets. Cash only. All tickets are subject to availability.

ヴィーガンアイスとか食の主義とか@ELLE a table

ブロードウェー観劇の合間に、おなじみ ELLE Online のおやつコラムです。

甘いものへの欲望が年々薄くなりつつあるわたしが、過去5年間通い続けている唯一のお店。紹介できてうれしいです。

ベジタリアン他、NYの「食の主義」事情もちょこっと。

こちらからどうぞ。

歓声の嵐でショーが中断!ミュージカル「Aladdin(アラジン)」

ブロードウェイ観劇録、続いて「アラジン」。

ディズニーの名作アニメ映画の舞台化です。有名なのであらすじはWikiさん(映画)にお任せ。動物のキャラクターが人間に置き換えられていたり、映画用に作られた未発表曲の数々が日の目を見たりしていたけど、大筋は一緒でした。

aladdin1broadway.com

これがねー、もう最っ高に楽しかった。

だってだって、演出と振り付けが「The Book of Mormon(レビューはこちら」の Casey Nicholaw さんって言うんだから、面白くない訳がない!

締めるところは締めつつ、もう思いっきり膝を叩いて笑えるギャグがあちこちに散りばめられていて、オーディエンス(子どもさんも多め)もわーきゃー言いながら最後まで突っ走りました。

舞台セットも衣装も照明も素晴らしくって、映画にはない、舞台ならではのよさもばっちり堪能できます。むわっと熱い中近東の空気感やにおいも伝わってきた。アニメ映画を観たときに「わぁ〜!!!!」っと憧れたアラジンの世界感がそのまんま!!クリエイティブのみなさまの情熱と技術に脱帽です。

そんなアラジンマジックはしょっぱなからパワー全開で、幕が上がってかの有名な「アラビアの〜♪(「Arabian Nights~」って言ってたのねホントは)」の曲が始まると、豪華で盛大なパフォーマンスに劇場が揺れてた。

音楽に合わせたダンスもベリーからジャズからタップからバリエーションが盛りだくさんで、思わず身体が動いてしまう!すごい、すごいよ〜!!

は!!!!

身体が動くと言えば、トニー賞を受賞されて話題騒然のランプの魔人Genie(ジーニー)役 James Monroe Iglehart さんのすさまじいパフォーマンスですよ!!!

(トニー賞授賞式は昨日でしたね!「アラジン」全体ではジェームスさんの受賞の他3つノミネートです。)

声色も自由自在でインプロやヒップホップのバックグラウンドをフル回転で披露してくれました。Genieの自己紹介ソングと言うべき「Friends Like Me」の直後は、彼への拍手と歓声でショーが一時中断するほどの大騒ぎに!2分くらい続いたかな?

こんなん初めてみたよ。

aladdin2thestar.com

他の俳優さんたちも本当に芸達者で楽しかったです。

わたしには特に脇役キャラがツボでした。ディズニーの映画って、「テンションが超高くて、動きが超キレッキレで、だいたいダミ声で、ちょっとウザいけど愛すべきお笑いキャラ」がよく出てきますよね? あの方たちが見事に人で再現されている!

あ、悪者の Jafar(ジャファー)役は、アニメ映画版で世界の子どもたちを震撼させたあの Jafar の声を担当された Jonathan Freeman さんだそうで。どおりで違和感がまったくない!存在感もハンパない!

音楽もとっても楽しみました。お馴染みの曲がたくさん!

看板ソングと言える「A Whole New World」ももちろん健在で、楽しみにしすぎてか意外とさらっと終わってしまったという印象だけど、わたしの幼少時代の夢と希望とロマンがぱんぱんに詰まってる曲…生で聴けて感無量…。ここの魔法の絨毯のステージングも最強でした。

すごすぎて、ひゅーひゅーブラボー叫び過ぎて声が枯れたよ。あぁ、興奮したー。

勢いでワールドカップがもう始まっちゃったかと思ったー。あせったー。

大人も子どもも身体の芯から熱くなれる最高のエンタメ・ミュージカル「アラジン」。頭を真っ白にして最高に明るい気持ちになりたいときに、何度でも観にいきたい!

Jafar×Iagoの夫婦漫才 ★★★★
オーディエンス一体感&疲労感&爽快感 ★★★★★
Genie のエナジーLevel ★★★★★★

そうきたか!空飛ぶ絨毯 ★★★★★★

※抽選割引あります。
抽選(Lottery)はショーの開始2時間半前に開催。30㌦。ひとり2枚まで。毎回行われるとは限らない。

Aladdin3Aladdin
http://www.aladdinthemusical.com

Lottery Rush: $30 – a limited number of tickets via lottery at the box office at 214 W. 42nd Street (open Monday-Friday from 9 AM-8 PM, Saturday from 10 AM-8 PM and Sunday from 10 AM-6:30 PM).

Beginning two-and-a-half hours before the performance, theatregoers are invited to enter the lottery, and winners will be drawn two hours before each performance. Winners may purchase up to two $30 tickets with cash only to that day’s performance. Locations will be at the theatre’s discretion and may not be offered at all performances.

ミュージカル「VIOLET(ヴァイオレット)」。「美しさ」とは何なのか?に対するひとつの答え。

ブロードウェイ作品を続けて観たので、記事にしていきたいと思います。まずは、サットン・フォスターさん主演の「VIOLET」。たまたま観劇後パネルディスカッションがある回だったので、その様子も少し。

まずはあらすじです。Mr. Wikipedia ”Violet”(英語のみ)

この劇の舞台は1960年代。飛んできた父親のオノが顔に刺さってしまうという不慮の事故のせいで、一生消えない傷を負ってしまった少女ヴァイオレット。他人と「違う」顔のせいでうつうつと引きこもる生活を送っていた彼女だが、25歳になったある日、傷を治せる牧師がいるというTulsaまで旅に出る。傷を消し、あわよくば映画スターのような美しい顔を手に入れるのだ!と意気込むヴァイオレット。この旅で、彼女の顔の傷、さらに、心の中に深く刻まれた傷は癒されるのだろうか。

もうねー、めちゃめちゃよかったです。

ぺらっと感動という言葉を使いたくないけど、言っちゃいます。感動。感動しました。

目からナイアガラの滝が噴出して、ステージが万華鏡みたいにキラキラして見えた。

周りの人と見た目が違うというのはどういうことなのか。世の中の「美しさ」のスタンダードが、いかに多くのステレオタイプを生み、人々を生きづらくしているのか。…ということを、自分の過去の経験をふまえて深く考えさせられる内容でした。

violetSara Krulwich/The New York Times

やはりやはりやはり、主人公のヴァイオレットを演じたサットン・フォスターさんが素晴らしい!歌の技術はもちろん、チャーミングで、でも少し屈折していて、怒りと葛藤を秘めながら希望ではち切れんばかりにキラキラしていて、もう最初に登場しただけでぐぐぐーっと感情移入させるものがありました。

子ども時代のヴァイオレット役のエマーソン・スティールさんとふたりで歌う「Look at Me(わたしをみて)」は、傷のある顔をじろじろと見るだけの人はたくさんいても、自分の本質を見てくれる人がいない、というヴァイオレットの苦悩が伝わる素晴らしいパフォーマンスでした。

後のQ&Aでバイオレットの役作りについて聞かれたサットンさんのお言葉を参考に(ラフ訳)

「バイオレットはユニークなキャラクターです。わたしが過去に演じたどのキャラクターとも違います。でも、たくさんの部分で共感しながら演じています。顔に大きな傷はなかったとしても、彼女のように、人と違って悩んだこと、自分の一部を絶望的に変えたいと願ったことは、誰にでもあるのではないでしょうか。」

Tulsaへの旅路で出会うふたりの兵士のうちのひとり、黒人兵士Flick役のジョシュア・ヘンリーさんも素晴らしくってもうこれがあーた。動きもキレッキレだし、彼が歌う曲の応援メッセージにも感動しました。

サットンさん&ジョシュアさんはトニー賞ノミネート中です。さすが!

プロダクションの裏話もひとつ紹介します。このストーリーのコアになるヴァイオレットの顔の傷を特殊メイクで再現しなかったのは、目に見える顔の傷ではなく、目に見えないヴァイオレットの心の傷に感情移入してもらうためだそう。97年にオフブロードウェーで初めて公開されたオリジナル版もそうだったらしい。「観客の想像力の産物に勝るメイキャップなんてないからね」と話していました。

シアターってこういうところがクリエイティブ。これが可視的なリアリティを追求する映画だとそうはいきませんからね。

サットンさんは、顔に傷の特殊メイクをしていないことに加えて、舞台メイクも一切なしのすっぴんぴんで役に臨んでいるそうですよ。そのおかげで表情がとってもよく見えました。

ただし、プロダクション内ではこの傷に対する認識をそろえようと、リハーサル中に1度エマーソンさんのお顔に特殊メイクで傷をつくってみて、「こんな傷」というイメージをキャスト&クルーみんなで共有して臨んだそうです。

violet2Supported by myFace.org

さて、観劇後パネルディスカッションのテーマは、「VIOLET」の内容に関連して、「Redefining Beauty (美しさを再定義する)」でした。

中心となったのは、My Face という団体。彼らは、顔の一部または全部を失った人たちが顔面再建手術を受けられるようにサポートしながら、見かけの「違い」に対する人々の理解の普及に努めています。

前半は、団体の方が、My Face のミッションや活動内容について話してくれた他、人と「違う」顔を持つ当事者の方たちがマイクを持って、学校でいじめられたことや周囲のサポートなどといったご自身の経験をシェアしてくれました。キャストやクルーのみなさまも参加し、先ほど紹介したような裏話や、ご自身の意見や経験を聞かせてくれました。

後半の観客も交えたQ&Aでは、観客からいろいろな意見や応援メッセージが出た他、過去に体全体の皮膚の65%にヤケドを負ったという女性が立ち上がり、涙ながらにステージ上のみなさまに舞台を観た感動と感謝の気持ちを伝えていました。

制作陣の「声なき声をアートにして世の中に届けたい!」という熱い思いが、「自分たちのことを理解してくれる人がいる!」という希望になって本人に届いた瞬間を目の当たりにして、ここでもまたぐっときた。

はー。もうね。言葉が尽きました。

ぜひぜひみなさまも、トニー賞4つノミネートにふさわしい絶品ミュージカルをご自身で体験し、余韻までしっかり味わってきてくださーい!

あ、観客もだだ泣きすること間違いなしなので、主演女優さんと同じくすっぴんで行くのをおすすめします。

カントリーからゴスペルまで、ナイスMusic・de・身体Swing度 ★★★
過去の「違い」体験が走馬灯のように出現度 ★★★

Flickのカクカクダンスのクリエイティビティ★★★★
熟女の貫禄 ★★★★

※学割、当日割、メンバー割あります。

Violet

Official Website
http://www.roundabouttheatre.org/Shows-Events/violet.aspx

Student Rush: A limited number of half-price seats sold a half hour before curtain. They are subject to availability and limited to 1 per person with a valid student ID.

General Rush: $37 – A limited number of tickets sold when the box office opens on the day of the performance. Tickets are subject to availability and limited to 2 per person. Tickets located in the rear sides of the mezzanine. Cash or credit card.

Hiptix: $25 – Roundabout’s Hiptix program allows registered patrons between ages 18 and 35 to purchase 1 pair of tickets per production at this price. Free registration is required. Ticket may be purchased in advance as availability dictates. Info at: http://hiptix.com/