破裂した ハトのたれ死ぬ ペンシルバニア

あまり知られていないが、ニューヨークのお隣ペンシルバニア州では、ハトを撃ち落とすゲームが楽しめる。

スポーツとしての射撃が盛んなアメリカだが、ハトの射撃を法的に許しているのはアメリカ全州の中でもペンシルバニアだけだ。動物虐待だという声により、他のすべての州で禁止されてきた。

実は、ペンシルバニアでも1998年に一度は禁止になった。レイバーデーにハトを撃ち落とす伝統的な催しだった。しかし、その後に裕福な人たちのプライベート銃クラブが独自に射撃イベントを開催するようになり、それが現在まで続いているのだ。

ここでは載せないが、youtubeでビデオを検索すれば関連動画が山ほど出てくる。撃ち落とされたハトたちは、回収されて、ラッキーなときは首の骨を折られて息をひきとってから、運が悪いときはまだ生きている状態のまま、ゴミとしてドラム缶に放り込まれる。回収されなかったハトたちはもっと悲惨で、あちこちでのたうち回りながらゆっくりと死んで腐っていく。川に落ちて溺れる者もいる。

ビデオをみると、瀕死のハトを拾い集める役割を担当するのは、12、13歳ぐらいの少年たちだった。使い終わった割り箸をバキッと折って捨てるかのように、実に慣れた手つきでハトたちにとどめを刺していた。

動物虐待という声は、楽しみのために動物を大量に殺すこと自体に対してもそうだが、ゲームに使うハトをわざわざ死にかけにしていることでより高まっている。

なぜなら、これらのハトたちは、数日間エサも水も与えられず、ぎりぎりまで飢えたところで放たれるからだ。理由は、そのほうが撃ち落としやすいから。すでに飛び上がることさえできないほど弱っている場合も多く、そういう者たちはトテトテ歩いているところを横からズドンと撃たれる。

周囲の環境汚染もすごいらしい。

大量に腐っていく死骸は衛生上よいはずがないし、焼くなら焼くで臭いもすさまじい。なにせ1日で数100羽のハトの死骸が生産されるのだから。大量の銃弾は川に落ち、その鉛が魚たちを汚染し、その魚を食べた鳥を汚染する。ハトの死骸に蔓延した鉛は、それを食べたキツネなどの肉食動物を汚染する。

さらに、わざわざ他の州から射撃用のハトを捕獲してきている事実が、問題を深刻にしている。

「クイーンズボロブリッジのたもとで、怪しい男たちがハトを一網打尽に捕まえている光景を目にした。きっと食べるんだね!」

という話を友達から聞いた事があったが、ペンシルバニアの射撃場に持っていくためにこっそり捕まえていたとみてほぼ間違いないだろう。

これはニューヨークではもちろん、ペンシルバニア以外のどの州でも違法である。ニューヨークでこのような光景を見かけたら、ぜひDECに通報してください。

To turn in pigeon netters (state of New York), please call the New York State Department of Environmental Conservation:

718- 482-4885 (Weekdays)

or 877-457-5680 (Weekends).

マンハッタンでも目撃例が結構あるらしいが、クイーンズやブルックリンの朝方は特に要注意。エサを撒いて集めたハトを、ネットを使って捕まえるのだ。けっこう派手なので、見つかりにくい場所と時間を選ぶ傾向がある。

補足:”怪しい男が鳩がたくさんいる場所で種を撒いて、その近くにミニバンが止まっていて、しかもペンシルヴァニアのナンバープレートだったら要注意。”とは、エキスパートHの言葉。

ニューヨークで違法にハトを捕獲している人たちは怖い人たちなので、見つけてもすぐにケンカをふっかけるのではなく、口笛を吹き吹き何気ないそぶりで通りがかって、彼らが集めてるハトを散らしてやりましょう。視線を感じることが増えれば、彼らも簡単に仕事ができなくなると思うので。

違法の彼らと合法の駆除業者との違いは、ライセンスを持っているかどうかだ。そもそも駆除業者は誰かに雇われて動くので、誰かの家やお店ならともかく、よっぽどでないと道のハトを大量捕獲したりはしない。

実は、かなり前から、このハト射撃ゲームについては知っており、反対の署名活動などもしていたものの、反対派が少し過激なこともあって、ブログで紹介するにはいたらなかった。しかし最近は、エキスパートHとワイフKのAPRCが手塩にかけてリハビリさせたハトたちを放鳥してきたアストリア辺りでもハトの捕獲しているようで、他人事ではなくなってきた。

「“銃を所有する権利”もこの問題に大きく関わっている。向こう側からしてみれば、ピジョン・シューティングを禁止するのは “銃を所有する権利” を奪おうとしていると訴えます。そうやってNRA (National Rifle Association) とか銃愛好家達から政治的サポートを得ています。最近、銃乱射事件とかで「銃を所有する権利」が問題になってるから、この影響でNRAの力が弱まればいいけどね。」

と、エキスパートHは話す。 彼はこの件に関してペンシルバニア宛に抗議のメールを毎日送っている。

”銃を持つ権利”のために銃を使う場所が欲しいなら、よく聞くクレー射撃(Clay Pigeon Shooting =粘土で出来たハトを飛ばして撃ち落とす競技)でいいじゃないか。本物のハトを死にかけにして使うのは、やっぱりおかしいよ。

ともあれ、まずはより多くの人に知っていただくことが前進への一歩です。長文に最後まで付き合ってくださり、ありがとうございました。

さらに、ハト射撃反対にご賛同いただける方がいらっしゃいましたら、著名してペンシルバニアにその思いを届けてくださると有り難いです。下記のアドレスから著名できます。

Tell Pennsylvania- Ban Pigeon Shoots
http://www.thepetitionsite.com/767/444/807/tell-pensylvania-ban-pigeon-shoots/

DSCN9829-1日向ぼっこ中のハト。めいっぱい膨らんでフカフカ。トトロかお前は。

P.S.

2つ前の投稿のときも思ったが…

人間は、他の命を奪わないと生きていけない。だから日本人は昔から自分のために犠牲にした命に対して「いただきます」と手を合わせてきたわけだ。

奪った命に対しての感情が麻痺していくのはほんとうに怖いと思った。

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