めげずに「The Book of Mormon」

ゲホゲホ。暖房がなくて寒かったので、風邪を引いた。しかし、こんなときこそいい考えは浮かぶのだ。

そうだ、ブロードウェーを観にいこう。自転車があるじゃないか。

今日こそ、何度もトライしても当たったことのなかった強敵、「The Book of Mormon」のロタリー(抽選割引チケット。最前の2列。)に挑戦するときなのである。なんだか当たる気がする。

…時すでに午後3時半。出かけるまであと30分しかない。ほぼパジャマで飛び出した。

モルモンのロタリーは、公演の2時間半前から始まる。シアター前の道路の向かいの歩道にまで集団が膨らんでいた前回時と比べ、今回集まったのはその1/3くらい。でも、さすがモルモン。タイムズスクエアに人が少ないにもかかわらず、ちゃんと満員で立ち見席まで出ていた。

メガホンを持った兄さんが陽気に観客をあおると、当選者が発表される…。さて、結果は、いかに。

で、当たった。おぉお。

当選者は出身州も一緒に読み上げられるのだが、メインやテキサスなど、NY外からの観光客の方々がほとんどだったことには驚いた。ハリケーンの被害の大きかったNJからも多くやってきてるようだった。

さて、サウスパークAvenueQのクリエイターが関わった本作、面白くないわけがない。最高に笑えるショーだった。咳を押さえるタイミングと重なったときは、もはや拷問。

とてもわかりやすいストーリーなので、というか、笑うツボが多すぎるからどこかしらを拾えると思うので、英語はあまり問題ないでしょう。Wiki(英語)で軽くあらすじを読んでおけば完璧だけど、完結に言うと、のび太くんと出来杉くんのような、キャラクターが対照的なふたりのモルモン教徒の青年の周りで展開していくお話だ。彼らは布教のためにウガンダに飛ばされてしまうのだが、アフリカでの布教の難しさ、優等生と劣等生の衝突、モルモン教やキリスト教の思考回路などが、全部笑いになっている。

そして注目すべきは、アヴェニューQよりもパワーアップしている、そのネタのバカバカしさ。天下のブロードウェイでまさか…と思うような下ネタや、差別すれすれ(アウトかな)の台詞がたくさん出てくるので、自分の耳を信じてついていくことが一番だいじかと。

下ネタも、洗練されてないタイプ(?)の、言うならばクレヨンしんちゃん的なネタが満載だ。Youtubeで動画を上げたら、さぞかし「ピー」音が満載になってしまうであろう。

それでも、お茶の間が凍りついたり、PTAあたりが怒鳴り込んできたりはしない。ツイードダブルのジャケットを着た富裕層チックな紳士たち、ファーをまとった上品なマダムたちが、膝を叩いて大爆笑しちゃうのだ。大人気の演目だけに、劇場にはエレガントな観客が他よりも多かったような気がした。

これぞ、アメリカの懐の大きさと言うべきか。

そんな愛すべきバカバカしさを、トニー賞総なめのトップミュージカルにまで成らしめているのが、本作を大本から支えるストーリー、プロット、ステージング、キャストの歌唱力と演技力のレベルの高さである。いやはや、安定感が抜群のエンターテイメントにあっぱれであった。

そうそう、カーテンコールの最後に、エイズ患者への募金を募るキャストからのスピーチがあった。

「他の劇場といくら募金を集められるか競争してるんだ!みんな頼むよ!」

最後まで笑わせてくれる。劇中の「さくら」の前フリを巧みに使うセンス。(※ネタバレ!)

さらに、サンディのことも言っていた。

「ハリケーンで大変だった中、わざわざきてくださってありがとうございました。めげずに、このショーのことを周りの方にも伝えてください。僕らは観客の皆さまの支えで成り立っています。」

不便が続き、色々とたいへんな思いをされている方もまだまだいらっしゃいますが、もし交通手段許し、気持ちの余裕ができれば、ブロードウェイやその他の舞台を観にいっていただきたいです。先週はキャンセルチケットもいっぱい出ましたし、今でもお客さんが少なくて困っているようです。

空いているうちはラッシュも取りやすく、頑張って行ってみる価値はあります(詳細は下へ)。

わたしも、自分のハリケーン状態が一段落したところで、みんなで笑えてとてもすっきりしました。(でも、まだまだNJは回復しきっていない、と話していました。スタッテン島やロッカウェイなども同様です。)

あ、時の人・共和党のロムニーさんもモルモン教の信者というのは有名ですね。彼はこのミュージカルをどう評価するんだろう。

The Book of Mormon

サウスパーク的風刺色 ★★★
ほっぺた筋肉痛度 ★★★★
指揮者のフェリーニ風イケメン度 ★★★★
そこもOFFしちゃう!?しちゃうの!!!?度 ★★★★★★★

Lottery Rush: $32 – a limited number of tickets for each performance will be sold through the lottery. Entries will be accepted at the box office beginning two and a half hours prior to each performance; each person will print their name and the number of tickets (1 or 2) they wish to purchase on a card that is provided. Two hours before curtain, names will be drawn at random for a limited number of tickets priced at $32 each. Only one entry is allowed per person. Cards are checked for duplication prior to drawing. Winners must be present at the time of the drawing and show valid ID to purchase tickets. Limit one entry per person and two tickets per winner. Tickets may be purchased in cash or with a valid credit card. Tickets are subject to availability.

Standing Room: $27 – available at the box office one hour prior to curtain, only when the performance is sold out

広告