聴覚障害を持つ主人公の舞台劇、Tribes

最近観た新劇のなかで、一番面白かった。カップルふたりの演技もすばらしかった。主人公Danielを演じたWill Brillさんは、ご本人も一部聴覚に障害を持っているそうです。

あらすじ。

生まれながらに聴覚障害を持つ息子を、耳が聞こえる周りの人たちと同じように育てるという方針を曲げない両親は、彼を障害者のコミュニティには決して近づけようとしない。しかし、その息子が自分と同じ聴覚障害を抱える女性と交際を始めてから、それまで表面化に押込められていた彼自身のアイデンテティの葛藤や、家族内の確執が表に出始める。

同じ聴覚障害でも障害の程度の違いから生まれるドラマについて、また、「理解」の限界について考えさせられるお話だった。

聴覚障害を扱う話でも、そこに込められた数々のテーマはユニバーサル。とくに、主人公の、話されたことがわからない、自分の思いや考えを相手に伝わる言葉としてアウトプットできない、という孤独と葛藤は、毎日を外国人として母国語ではない言葉を使い生活するわたしにも共感できた。

この劇を見て思い出した一件がある。渡米当初にアメリカ人と口論になった時のことだ。わたしのつたない英語にしびれを切らす相手に、「あんたが日本語を話さないから私が英語を話してやっているんだ。有り難くききやがれ!」と言ったことで、そのあと建設的な会話をすることができた。どんなハンデがあろうとも、コミュニケーションをする者同士は対等であるべきで、リスペクトを忘れないようにしようとこの時に思った。

Barrow Street Theaterはいつも面白いオフ・ブロードウェイのプロダクションをやっています。「Tribes」も好評につきすでに2回も延長されていて、公演は1月まで。

学割もあります。
Student Rush: $20 – Tickets are sold at the box office at 1pm on the day of the performance. One ticket per valid student ID, cash only, subject to availability.

Tribes: http://tribestheplay.com/

息のみ度 ★★★★
古傷がうずく度 ★★★★
前にぶつかってる足&後ろから足がぶつかってくる肩もうずく(席がせまい)度 ★★★★
手話ってなんて美しい!度 ★★★★★★

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